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法隆寺宝物館

法隆寺が建つのは奈良県生駒郡斑鳩町。しかし、ここを離れても、法隆寺の宝物に出合える場所があります。

法隆寺博物館

その代表が、斑鳩町から遠く離れた東京・上野の東京国立博物館内にある施設、法隆寺宝物館てす。

1964年(昭和39年)オープンのここは2つのフロアからなっており、1階には国宝頂幡、金銅小幡などの宝物や観音菩薩立像などの金銅仏が、2階には鳳凰円文螺鈿唐櫃などの木・漆工調度品や、綾幡残欠などの染織品が多数展示されています。

伎楽面などが期間限定で特別展示されることもあります。
これらの貴重な文化遺産が法隆寺を離れてここに集められた背景には、明治時代になってまもなく行われた「廃仏毀釈」の影響があります。

廃仏毀釈とは明治政府が実施した「仏教寺院・仏像・経巻を破毀し、僧尼など出家者や寺院が受けていた特権を廃する」運動ですが、25円で売りに出され、薪になりかけた興福寺の五重塔と同じ運命が、法隆寺にも迫っていました。

法隆寺博物館


法隆寺の高僧たちは、ここで一計を案じます。
1878年(明治11年)、貴重な宝物数百点を皇室に寄贈。
法隆寺所有の宝物の古美術品としての価値をアピールしました。

その結果、法隆寺は廃仏毀釈の魔の手を逃れ、広大な寺域と伽藍をそのままに維持することができました。

さらに、第二次大戦後になって、皇室に献納された宝物は国に移管。やがては、法隆寺宝物館に納められることになったのです。法隆寺宝物館は、東京にある「もう1つの法隆寺」と言ってもいいかもしれません。