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法隆寺の瓦

法隆寺の寺域に並ぶ建物のほとんどは、瓦葺き。しかも、建物は1300年前の昔から現代にいたるさまざまな時代のものが揃っており、それぞれが建てられた時代の瓦を屋根に葺いています。
「法隆寺は瓦の博物館」と言われいます。

法隆寺の瓦


現存する建物だけではありません。広大な寺域からは、しばしば飛鳥時代の瓦が出土します。瓦は飛鳥時代にはじめて日本で作られ、使用されるようになった屋根材ですから、法隆寺には日本の瓦の歴史すべてがあることになります。

百済から仏教と共に伝来した瓦がはじめて使われたのは、法隆寺と同じ奈良にある寺、飛鳥寺です。


屋根に平瓦を並べ、瓦と瓦をつなぐジョイントの上に丸瓦を並べるという手法は現代でも用いられる本瓦葺きと同じで、法隆寺の建物もまたこの方法を踏襲しています。

瓦で興味深いのは、ジョイントの役割を果たしている丸瓦です。丸瓦の先端の断面にはさまざまな文様や文字が描かれており、その多彩さが目を楽しませてくれます。

法隆寺で出土する飛鳥時代の丸瓦には蓮の花の文様が描かれたものが多く、瓦葺きが寺院のみに許されたその時代の文化を今に伝えています。

法隆寺の瓦


ちなみに、左側の写真は上の屋根から雨が落ちても痛まない様に2重の瓦になっています。

創建時の法隆寺で使われた法隆寺式軒瓦と呼ばれる瓦の多くは、複数の弁がある蓮華文様の丸瓦と唐草模様を断面に刻んだ平瓦の組み合わせがほとんどと言われます。


日常生活の中で、瓦に注目することはほとんどないでしょう。しかし、法隆寺を訪ねたら、瓦を必ずチェックしましょう。