国宝 玉虫厨子
法隆寺大宝蔵院に展示されている数々の宝物の中でも、最も広く知られて日本工芸作品の「名宝中の名宝」の1つが玉虫厨子です。誰もが子供の頃の社会科授業などで一度はこの厨子にふれているはずです。
厨子とは、仏像,仏画,舎利,経典などを安置する屋根付きの入れ物をいいます。玉虫厨子の第一の特色は、仏堂をそのまま台座にのせたような形になっていること。
宮殿を模した最上部は黒の漆喰で仕上げた木造で、飛鳥時代の建築様式をそのままに伝えています。屋根は入母屋造り。瓦をずらしながら重ねていく錣葺(しころぶ)きという技法が用いられています。
しかし、玉虫厨子を際立たせているのは、何と言ってもその名の由来になった玉虫細工です。細工がほどこされているのは柱や宮殿入り口部分で、虹色の縞模様を見せる玉虫の羽が入れられており、それを唐草模様の透かし彫りの金具で重ねるという念の入れようです。
ただし、長い歳月がたって、現在では玉虫の羽のほとんどが失われてしまったのが残念です。
厨子のあちこちに描かれている絵もまた見事なもの。宮殿の側壁やその下にある須弥座と呼ばれる部分にさまざまな仏教絵が描かれ、厨子が単なる工芸品ではなく、仏教の教えに従った調度品であることを物語っています。
宮殿の内部には、もともとは本尊仏像である三尊仏像がおさめられていましたが、13世紀の昔に盗難。現在は、金銅観音像が納めてあります。制作年代は7世紀と考えられており、かつては法隆寺の金堂に安置されていました。
ちなみに、法隆寺の玉虫厨子はもともと推古天皇の愛用品であり、仏像を安置するための厨子をタマムシの光輝美しい羽で装飾したことからついたと言われています。
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厨子とは、仏像,仏画,舎利,経典などを安置する屋根付きの入れ物をいいます。玉虫厨子の第一の特色は、仏堂をそのまま台座にのせたような形になっていること。
宮殿を模した最上部は黒の漆喰で仕上げた木造で、飛鳥時代の建築様式をそのままに伝えています。屋根は入母屋造り。瓦をずらしながら重ねていく錣葺(しころぶ)きという技法が用いられています。
しかし、玉虫厨子を際立たせているのは、何と言ってもその名の由来になった玉虫細工です。細工がほどこされているのは柱や宮殿入り口部分で、虹色の縞模様を見せる玉虫の羽が入れられており、それを唐草模様の透かし彫りの金具で重ねるという念の入れようです。
ただし、長い歳月がたって、現在では玉虫の羽のほとんどが失われてしまったのが残念です。
厨子のあちこちに描かれている絵もまた見事なもの。宮殿の側壁やその下にある須弥座と呼ばれる部分にさまざまな仏教絵が描かれ、厨子が単なる工芸品ではなく、仏教の教えに従った調度品であることを物語っています。
宮殿の内部には、もともとは本尊仏像である三尊仏像がおさめられていましたが、13世紀の昔に盗難。現在は、金銅観音像が納めてあります。制作年代は7世紀と考えられており、かつては法隆寺の金堂に安置されていました。
ちなみに、法隆寺の玉虫厨子はもともと推古天皇の愛用品であり、仏像を安置するための厨子をタマムシの光輝美しい羽で装飾したことからついたと言われています。
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